山や海などアウトドアのシーンで欠かせないイベントといえば、やはりバーベキューでしょう。でも知識や経験のない初心者の方が、いきなりバーベキューをするのは、ちょっとハードルが高いかもしれません。特に火おこしは最も経験に差が出るので、初心者の方ならばしっかりとした準備が必要です。そこで、バーベキューの火おこしで必要な知識やコツ、あるいは失敗しないためのポイントなどについて、ここでは説明しましょう。
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便利なアイテムを活用して、スムーズに火おこしをしよう!

一口に火おこしといっても、着火から火力のキープまでを、トータルに計算しながら進めなければなりません。
この点、初心者の方の場合には、着火の時点で既に上手くいかないケースが多々見られます。
また仮に着火できたとしても、火の勢いを維持できずに消えてしまい、再び何度も着火で苦労するようなシーンも目につきます。
そんな時こそ、バーベキュー用の便利で手軽なアイテムを積極的に活用すれば、スムーズかつスピーディーな火おこしを実現できます。
そこで初心者の方におすすめしたいのが、「着火剤」「火おこし器」「バーナー」といった各アイテムを活用する方法。
どんなに経験の浅い初心者の方であっても素早く着火して、さらに安定した火力のキープが可能になります。
次にそれぞれのアイテムを利用した火おこしの方法について、詳しく紹介していきましょう。
シンプルで手軽に火おこしをする!
初心者の場合、バーベキューに必要な道具類にあまり詳しくないケースが多いため、必要最小限の準備だけで手軽に火おこしするのが理想かもしれません。
そこでおすすめしたいのが、着火剤を使った火おこしです。使い方はとっても簡単。

着火剤のポジション
まずは、鉄やスチール製の目皿あるいはトレイ台の上に新聞紙などを敷いて、そこへジェル状になった液体タイプの着火剤を垂らします。
さらにその上から少量の木炭を組み、ライターなどで着火剤へ点火します。この時のポイントは、着火剤が下へ流れ落ちないように必ず新聞紙を敷くことと、下から効率良く燃えるように、着火剤のポジションが木炭の下へくるようにします。
なお着火剤にはジェル状の液体タイプの他にも、練炭のような固形タイプの物もあるので、下へ新聞を敷けない場合にはこちらを選ぶとよいでしょう。
木炭の組み方のコツ
着火後しばらくして木炭に火が移ったのを確認したら、徐々に木炭を追加して増やしていきます。
この際には、木炭同士をあまり密着させずに空気の通りを良くし、火がまわり易いようにするのがコツです。
ある程度まで木炭を組んだら、木炭の8割ほどまで燃焼するように、ウチワなどで扇ぎながら火力を強めます。
なお、あまり扇ぎすぎると着火剤の火が消えることもあるので、燃焼状態を見ながら調整するとよいでしょう。
もし着火剤がない場合は?
もし着火剤がなければ、新聞紙を丸めて着火剤の代わりにすることもできます。これならば行き当たりばったりでバーベキューを始めてしまっても、臨機応変に対処することが可能です。
確実に火おこしするならコレ!
もう少し手間をかけて、確実に火おこしをしたいならば、火おこし器の利用がおすすめです。平均的なタイプの火おこし器は、底のない一斗缶のような形状をしており、煙突効果を利用して燃焼する仕組みになっています。
アウトドアグッズを販売しているキャプテンスタッグさんが火起こしのコツを動画にしているのでよ~くみて参考にしてみましょう。
火おこし器の手順とコツ
使い方の手順は、まずバーベキューコンロ台に固形タイプの着火剤を置いて、その上から被せるように火おこし器をセットします。
次に木炭を火おこし器の中へ入れていきます。先述したようにこの時も、空気の通りを考えながら、火の回りがよくなるように工夫して木炭を入れていくのがコツです。
続いて、火おこし器の下部から着火剤へ点火すると、煙突効果によって次第に木炭が燃焼を始めます。
しばらくして木炭全体に火が通ったことを確認したら、そのまま火おこし器を抜き取り、木炭をバーベキューコンロ台へバラして完成です。
注意ポイントとメリット
なお火おこし器を抜き取る際や、木炭をコンロ台へバラす時には、火傷をしないように注意しましょう。
火おこし器のメリットは、着火後から燃焼までをほぼフリーハンドで、効率よく木炭を燃焼できることです。
このため、火力調整などの知識や経験が浅い初心者でも、安心して確実に火おこしが可能です。
スピード重視ならコレ!
手間のかかる着火剤や火おこし器を使用せずに、とにかくスピーディーに火おこしをするならば、ガスバーナーを利用する方法がよいでしょう。
ガスバーナー使用の手順とコツ
手順はとても簡単。まず、不燃性のトレイやバーベキューコンロ台の上に、木炭や薪あるいはスモーキングブロックを敷き詰めます。
この時のポイントも、先述したように空気の通りに配慮しながら、火の回りがよくなるように敷き詰めることです。
これが終われば、後はガスバーナーの火で直接炙るだけです。この際には、燃焼しやすい小さめの炭から炙っていくのがコツです。
また火は下から上へ燃え広がる性質があるので、小さめの炭は下へ、大きめの炭は上へくるようにしておくと、よりスピーディーに火おこしができます。
ガスバーナー使用の際の注意点
ただし注意しなければならないのは、ガスバーナーは火力が強いため、火傷には十分に注意する必要があることです。
また使用する際には、周囲に人や引火物がないかしっかり確認し、事故や火災の原因にならないように警戒しましょう。
火おこし後の消火や炭の片付けには細心の注意を!
バーベキューの火おこしというと、着火や燃焼状態ばかりに注目しがちです。
もちろんスムーズな着火や火力のキープは大切ですが、楽しく安全にバーベキューをするならば、火おこしを終えた後の処理こそ、重要と言うべきでしょう。
特にバーベキューでの調理後に要らなくなった炭の処理がいい加減だと、火災や事故につながる可能性が高いので、細心の注意を払う必要があります。
炭の消火や片付けの注意点
まず見た目だけで火が消えているのか、勝手に判断するのはやめましょう。炭の場合、内部に火や熱がくすぶっていることがよくあります。
見た目だけで判断して、燃えやすいゴミと一緒に投棄すれば、それだけで火災の引き金になります。
同じように、見た目だけで消えていると思い、うっかり炭に触れてしまって、大やけどを負うことも十分にありえます。
したがって初心者の方は、火おこし後に要らなくなった炭を、見た目だけで判断しないように理解しておくことが肝心です。
火消しのポイントやコツ
その上で、火が消えているように見えても、炭の上から何度も水をかけたり、あるいは水がたっぷり入った大きめのバケツへ不要な炭を浸すような、念入りな習慣を身につけることが大事なポイントです。
バーベキューでの火おこしは、単に着火や燃焼効率だけではなく、炭の消火や後片付けまでのトータルな行為として認識する必要があります。
便利で確実に消火できるアイテムも活用
またこんな時に便利なアイテムとして、「火消しつぼ」を利用するのもいいでしょう。この「火消しつぼ」のメリットは、何といっても水が要らないことです。
バーベキュー後の片付けで、不要になった炭をそのまま「火消しつぼ」へ投入し、蓋を閉めるだけでOK。
しかも「火消しつぼ」が冷却して炭が完全に鎮火すれば、その炭を別のバーベキューの機会で再利用することも可能です。
正しく便利な火おこしの方法をマスターして、安全で楽しいバーベキューを!
バーベキューの初心者にとって、火おこしは経験の差が最も出やすいため、予めしっかりとした準備が必要です。知識や経験の差をカバーするために、「着火剤」をはじめ「火おこし器」や「バーナー」など、手軽で便利なアイテムを活用するとスムーズ。また、火おこし後に不要になった炭の消火や片付けは、絶対に手を抜いてはいけません。火災や事故を防止するためにも念入りに消火し、安全で楽しいバーベキューを実現しましょう。